電子レンジでお湯を沸(わ)かすことってできる?
水を電子レンジで加熱すればお湯を沸かすことができます。
ぐつぐつ沸騰(ふっとう)させることはできませんが、100度のお湯を作ることはできますよ。
では、水を適切な温度にするためにはどのくらい加熱すれば良いのでしょうか。
電子レンジで加熱する商品であればパッケージに加熱時間が書いていたりしますが、水なのでどこにも書いていません。
でも大丈夫です!加熱時間は、水の量、必要な温度、ワット数などを使って計算できるんです。
この記事では、さまざまな水の量や温度の加熱時間を表にしました。
意外とすぐに加熱されるので、電子レンジで手軽にカップ麺やコーヒーを作ってみましょう。
電子レンジでお湯を適切な温度にするための加熱時間
電子レンジでどうやってお湯を沸かすの?
容器に入れた水を電子レンジで加熱するだけです!
電子レンジでお湯を沸かすことはできますが、気をつけなければならないのは突沸(とっぷつ)です。
突沸は、100度になってからも温め続けたときに、衝撃(しょうげき)で熱湯が飛び散ってしまう現象のことを言います。
温めすぎてしまったら、電子レンジのふたを開けたり、容器を取り出したりするだけでも熱湯が飛び散ります。
万が一、温めすぎてしまった!というときは、すぐに取り出さずに、1分以上時間をあけてから取り出してください。
温めすぎなければ大丈夫なので、初めは短い時間から試して10秒ずつ追加してみてくださいね。
電子レンジでお湯を加熱するときにラップをかけた方が早く温かくなるように感じますか、ラップはかけない方がいいです。
ラップをかけて加熱をすると、水蒸気の逃げ場がなくなってラップを破裂させ、熱湯が飛び散ってしまう危険があるからです。
そもそも電子レンジでラップをかけるのには、食べ物の乾燥を防ぐ目的や蒸(む)す目的があります。
水は乾燥しないですし蒸す食べ物でもないのでラップをかける必要がありません。
レンジの中を汚したくないためなど、どうしてもラップをかけたい場合は、ピタッと密閉せずに隙間(すきま)を開けてかけてください。
加熱時間の計算方法
電子レンジでお湯を沸かすときの加熱時間の計算方法をお伝えします。
根拠として計算方法をお伝えしていますが、加熱時間は様々なパターンで表にしているので安心してくださいね!
加熱時間は、水の量・必要な温度・ワット数で計算することができます。
必要な温度ですが、目標の温度から水道水の温度を引いた数字が必要な温度になります。
水道水の温度は東京都水道局のデータより、令和2年度の都庁付近の水温年間平均が16.8度のため、17度として計算します。
冬は温度が下がるので少し長めに、夏は温度が上がるので少し短めに設定してくださいね。
熱の仕事当量(1mLの水を1度上げるために必要なエネルギー量=4.19J)を使って計算します。
この計算方法で水の量と目標の温度を変えて、さまざまな状況での加熱時間を計算しました。
コーヒーやお茶を作るときの加熱時間
カップでコーヒーやお茶を作るときの加熱時間を表にしました。
60度は玉露におすすめの温度、85度はコーヒーにおすすめの温度、95度は紅茶におすすめの温度ですので参考になれば嬉しいです。
電子レンジの設定は500W、水道水の温度が17度として計算しているので、地域や季節によって時間を変えてくださいね。
500W | 150mL(コーヒーカップ) |
---|---|
60度 | 1分(54秒) |
85度 | 1分30秒(85秒) |
100度 | 1分40秒(104秒) |
500W | 200mL(ティーカップ) |
---|---|
60度 | 1分10秒(72秒) |
85度 | 1分50秒(114秒) |
100度 | 2分20秒(139秒) |
500W | 250mL(マグカップ) |
---|---|
60度 | 1分30秒(90秒) |
85度 | 2分20秒(142秒) |
100度 | 2分50秒(174秒) |
100度のお湯を作りたい場合は、突沸の危険があるので短い時間から試してくださいね。
カップ麺を作るときの加熱時間
カップ麺は沸騰したお湯を入れるかと思いますが、突沸の危険を防ぐために95度の設定で計算しています。
カップ麺は100度のお湯で作ることが最適ですが、90度のお湯でどん兵衛を作っても問題なく食べられました。
カップ麺の商品ごとに、温める時に必要なお湯の量で計算したので参考なれば嬉しいです。
電子レンジの設定が500Wのときの加熱時間になっています。
カップヌードル | 300mL | 3分10秒(196秒) |
チキンラーメン | 400mL | 4分20秒(261秒) |
UFO | 460mL | 5分(300秒) |
一平ちゃん | 540mL | 5分50秒(353秒) |
加熱時間を表にしていますが、季節や地域によって水道水の温度が変わるので短い時間で試してくださいね。
電子レンジでお湯を沸かすときの容器は何が最適?
前提として、電子レンジの使用がOKの容器を選んでください。
金属が入っている容器は電子レンジが使えないので気をつけましょう。
計量カップ
電子レンジでお湯を沸かすなら、計量カップを使うのが1番おすすめです。
なぜなら、必要な量のお湯を沸かすことができるからです。
水や時間、電気代が無駄(むだ)にならずにすみますね。
必要なお湯だけを沸かすので測る手間も1度ですみます。
食べたり飲んだりするときに容器を移しかえるので、容器が熱くならないというメリットもあります。
ガラス製は割れやすく、取っ手が熱くなりやすいので、プラスチック製がおすすめですよ。
マグカップ
マグカップは、大容量の容器でないのでカップ麺は作れませんが、コーヒーやお茶などを飲むときには最適です。
容器が熱くなりますが、温めた後そのまま飲むことができることと、洗い物が増えないというメリットがあります。
冷蔵庫で冷やしていたお茶をマグカップに入れて1分ほど温めて飲むと手軽に温かいお茶が飲めますよ。
電子レンジでお湯を沸かすとまずい⁉︎
電子レンジで沸かしたお湯をまずいと感じるかは人それぞれですが、まずく感じる理由はあります。
電子レンジでお湯を沸かしても、ぐつぐつと沸騰するわけではありません。
沸騰できないので、水道水に含まれる塩素やカルキのにおいが残っていることからまずいと感じます。
鍋ややかんで沸騰させたときとは違って、水が空気に触れることがないのでなめらかな口当たりでもありません。
ただ、水道水が美味しい地域もあるので、電子レンジのお湯が必ずまずいとは言い切れません。
私の地域は水道水も飲めるので、電子レンジのお湯も問題なく飲めました。
電子レンジで白湯は作れる?
白湯は水を沸騰させたお湯のことですので、電子レンジで水道水を使って白湯を作ることはできません。
電子レンジで100度のお湯を作っても、沸騰できないため不純物(ふじゅんぶつ)が残っているからです。
電子レンジで白湯を飲みたい場合はミネラルウォーターを加熱して飲んでください。
加熱したらカルシウムやカリウム、マグネシウム、ナトリウムなどのミネラル成分はなくならないの?
ミネラル成分は温めても壊れないので大丈夫です。
ミネラルウォーターであれば元々塩素とカルキが入っていませんし、電子レンジで加熱してもミネラル成分を残したまま白湯が作れますよ。
電子レンジでお湯を沸かすと電気代は高い⁉︎
電気ケトルの消費電力量によっては、電子レンジでお湯を沸かす方が電気代が高いこともあります。
例として、容量2.2Lのティファールで1Lの水を沸かす場合と比べてみます。
消費電力量(kW)×時間(h)×1kWの電気代の単価(円)=使用時の電気代(円)
1kWあたりの電気代の単価は電力会社やプランによって異なりますが、ここでは27円で計算します。
電気ケトルでお湯を沸かすよりも時間がかかることから、電気代が高くなるようです。
200mLのお湯を沸かす電気代
- 電子レンジ:0.3円
電気ケトル:0.2円
1Lで計算しましたが、200mLだと電気代はほとんど変わりません。
電気ケトルによっては消費電力量が高いものもあるので、電子レンジのほうが電気代が安い場合もあります。
大容量のお湯を沸かすなら電気ケトル、マグカップ程度のお湯であれば電子レンジをおすすめします。
まとめ
- 電子レンジでお湯を沸かすことができ、適切な温度にする加熱時間は計算でわかる。
- 150mLの水を100度にするには1分40秒加熱する。
- 400mLの水を95度に加熱するには4分20秒加熱する。
- 電子レンジでお湯は沸騰しないので塩素やカルキの臭いは残る。
- 電子レンジでは沸騰しないので、水道水から白湯を作ることはできない。
- たくさんの水を温めるなら電気ケトルの方が早くて安い。
- カップ1杯ほどの水を温めるなら電気ケトルより電子レンジがおすすめ。
電子レンジでお湯を沸かすことはできます。適切な温度にするための加熱時間は計算で出すことができるので、加熱時間によって温度を調節することもできます。
電子レンジでは100度になっても沸騰しないので白湯を作ることはできませんし、塩素やカルキの臭いは残ってしまいます。
電気ケトルがなくてもコーヒーやカップ麺を作ることができるので、ぜひ電子レンジを使って作ってみてください。
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