お刺身が残ってしまった…次の日でも食べられる?
魚は鮮度が命というけど、お刺身は値段が高いので捨てるのはもったいない。
お刺身は生物ですので当日中に食べ切るのが理想ですが、次の日であれば食べられる場合が多いです。
しかし、お刺身の消費期限は、魚の種類や保存方法によって変わります。
腐ったお刺身を食べて食中毒を起こしてしまっては大変です。
そこで、お刺身の種類ごとの消費期限や、食べてはいけない腐ったお刺身の見分け方をお伝えいたします。
お刺身の消費期限を伸ばす保存方法や、美味しく食べられるアレンジレシピも紹介しますね。
お刺身をたくさん買ったら食べ切れなくて次の日に残ってしまった!というときの参考になれば嬉しいです。
お刺身の消費期限は次の日⁉︎
お刺身の消費期限は魚の種類によって変わりますが、当日から次の日までであることが多いです。
そもそも消費期限って何?
賞味期限ならよく聞くけど、消費期限って聞き慣れない言葉ですよね。
農林水産省のホームページで調べてみると、ひらがな一文字が違うだけで、全く違う意味になることがわかりました。
賞味期限(美味しく食べることができる期限です!)
袋や容器を開けないままで、書かれた保存方法を守って保存していた場合に、この「年月日」まで、「品質が変わらずにおいしく食べられる期限」のこと。
引用:農林水産省
消費期限(期限を過ぎたら食べない方が良いんです!)
袋や容器を開けないままで、書かれた保存方法を守って保存していた場合に、この「年月日」まで、「安全に食べられる期限」のこと。
引用:農林水産省
どちらも漢字そのままの意味で、賞味期限は味を賞(め)でられる期限なので美味しく食べられる期限なんですね。
消費期限は消費しなければならない期限なので、安全に食べられる期限のことを言います。
つまり消費期限は賞味期限とは違って、過ぎたら食べない方がいい日にちなんです。
お刺身などの生物は、賞味期限ではなく消費期限が書かれていることが多いです。
しかしお刺身や野菜などの生鮮食品には、消費期限の記載は義務付けされていないので書かれていないこともあります。
もしお刺身のパッケージに消費期限が書かれていなければ、当日か次の日だと思っておきましょう。
魚屋さんで買ったら消費期限を書いていないことが多いですが、どのくらい持つかを聞けば教えてくれますよ。
また、魚の種類によって消費期限が変わりますので、お刺身の盛り合わせを買ったときに、優先的に食べた方がいい順番でお伝えいたします。
青魚の消費期限
青魚は消費期限が短いとされているので当日中に食べるようにしましょう。
青魚の消費期限が短い理由は、ヒスチジンというアミノ酸を多く含むからです。
ヒスチジンは食中毒の原因となるヒスタミンを生成します。
他にも、青魚は血合いという腐(くさ)りやすい部分が多いため消費期限が短いんです。
サバやサンマ、アジ、などは当日中に食べ切るようにしましょう。
頭足類・貝類の消費期限
タコやイカなどの頭足類(とうそくるい)、ホタテや貝柱などの貝類も消費期限が短いとされています。
頭足類・貝類は青魚ほど腐りやすくはありませんが、次の日には食べ切るようにしましょう。
茹(ゆ)でダコの場合は3日ほど日持ちするので、数日後にも食べたいときは茹でダコを選ぶといいですよ。
白身魚の消費期限
白身魚は青魚に比べるとヒスチジンや血合いが少ないため日持ちすると言われています。
スーパーでよくお刺身として売られている白身魚は、サーモン、カツオ、ハマチ、カンパチなどですね。
白身魚は臭いの原因となるトリメチルアミンが生成されるため青魚より早く生臭くなってしまいます。
美味しく食べるには当日中、多少生臭くてもいいのなら次の日でも食べられますよ。
生臭さが気になるようなら洗って水気を拭いてから食べてくださいね。
大型の魚の消費期限
ブリ、マグロはヒスチジンを多く含みますが、脂がのっている大型の魚のため、消費期限が2〜3日とされています。
しかし、常温で放置するなど間違った保存方法をすると、ヒスタミンが生成されてしまいます。
1度生成されたヒスタミンは加熱しても分解されないので、買ったらすぐに冷やしましょう。
保存方法を守っていれば2〜3日後も食べられるので、お刺身の中では消費期限が長いですね。
マグロはお刺身としてよく売られているのでありがたいです。
お刺身の消費期限を伸ばす保存方法
せっかく買ったお刺身をできるだけ長く美味しく安全に食べるために、消費期限を伸ばす方法をお伝えいたします。
お刺身の選び方
できるだけ長く保存するために、まずは長持ちするお刺身を選びましょう。
ドリップは魚から出てくる赤い液体のことで、生臭さの原因になります。
赤い液体が出始めている時点で新鮮ではないので、選ばないようにしましょう。
ツヤがあるきれいな色の新鮮なお刺身を選ぶのがポイントです。
つまとはよくお刺身の下に敷かれている大根の千切りのことです。
つまはお刺身から出る水分を吸い取って鮮度を保ったり、殺菌の目的で入れられたりしています。
つま自体は食べても食べなくてもいいですが、日持ちさせる効果があるため、入っているお刺身を選ぶといいですね。
つまを醤油につけて食べると美味しくて、良いつまみになりますよ。
切るのが手間でなければ、切り身のお刺身ではなく柵(さく)を買うとより長持ちします。
切り身のお刺身は包丁の菌が付いていることや、空気に触れる部分が多いため腐りやすくなります。
柵を買えば空気に触れる部分が少ないので菌に触れる部分も少なくなりますよね。
切るのは面倒ですが柵の方がコスパもいいのでおすすめです。
サーモンやマグロは柵の方が、角切りにしてちらし寿司に乗せたりとアレンジしやすいですよ。
持ち帰り方法
お刺身を持って帰るときはできるだけ冷たい状態で持って帰りましょう。
保冷バッグに、保冷剤や氷などを入れるといいですよ。
氷はスーパーでもらえる店舗もあるので、サービスカウンターなどで聞いてみてくださいね。
冬の持ち帰りでは、車や電車内が暖かいので、外は寒くても保冷はしっかりしておきましょう。
車の足元など、暖房が直接当たってしまうような場所に置いていると腐りやすいので要注意です。
先ほどお伝えしましたが、一度生成されたヒスタミンは加熱しても分解されない為、移動中にヒスタミンが生成されないように気をつけてくださいね。
そして家に着いたらすぐに冷蔵庫に入れて冷やすことが大切です。
冷蔵保存
冷蔵庫で保存する場合は、通常の冷蔵庫より少し温度が低い方がいいとされています。
もし冷蔵庫に「チルド室」や「パーシャル室」がある場合は、冷蔵庫よりも少し低い温度になっているため、お刺身の保存には最適です。
通常温度の冷蔵庫に入れていても、消費期限の前に腐ることは少ないので安心してくださいね。
また、当日中に食べ切るのであればパックのまま冷蔵庫に入れてもいいですが、少しでも保存期間を伸ばすためにはパックのまま冷蔵庫に入れてはいけません。
冷蔵庫に保存するときの下準備の手順をお伝えします。
初めにキッチンペーパーでお刺身を拭くとき、水分だけでなくドリップを拭くように意識するといいですよ。
ドリップを放っておくと、生臭さや変色の原因になってしまいます。
保存する時にお刺身同士がくっついていると変色してしまうので、1切れずつラップで包んで保存しましょう。
1切れずつラップで包むのは面倒ですが、この一手間で保存期間や美味しさが変わりますよ。
白身魚の場合は、昆布(こんぶ)で挟(はさ)んで保存する方法もあります。
昆布で挟むことで出汁(だし)の味も多少染み込む為、よりお刺身を美味しく味わえますね。
冷凍保存
切り身のお刺身ではなく、柵の状態で売られているお刺身であれば冷凍保存ができます。
冷凍保存のときも、冷蔵保存とやることは同じで簡単です。
冷凍保存の場合は冷蔵保存より一気に冷やすため鮮度を保つことができます。
冷蔵庫の機能に急速冷凍がある場合は使えますね。
アルミやステンレスのトレイに入れて冷やすと早く冷凍できますよ。
冷凍にすることで長持ちするとはいえ、解凍したらその日のうちに食べましょう。
解凍方法としては、1〜2時間ほどジップロックなど袋に入れたまま氷水に入れておくと食べられます。
時間をかけて解凍できるなら、水分を吸収できるようにキッチンペーパーでお刺身を巻いて冷蔵庫に移しておきましょう。
前日の夜から解凍しておくと、翌日にさっと食べられますよ。
冷凍保存をしたお刺身を生で食べる場合は1週間、加熱調理して食べる場合は1ヶ月を目処(めど)に食べ切りましょう。
保存の手間が面倒であれば元々冷凍保存されているお刺身がおすすめですよ。
お刺身の漬け
お刺身を醤油漬けにすることで消費期限を3日ほど伸ばすことができます。消費期限が切れる前に漬けてくださいね。
醤油:酒:みりん=2:1:1
- 調味料を加熱してアルコールを飛ばす
- 一旦冷やす
- お刺身を冷えた漬け液に入れる
アレンジとして、わさびや生姜(しょうが)を入れたり、大葉や海苔(のり)、ごまで飾ってあげるとさらに美味しくなりますよ。
わさびや生姜は長持ちさせる効果もあるので、苦手でなければおすすめですよ。
一晩おくとしっかり味が染みて美味しくなります。
数日日持ちしますが、だんだん味が濃くなっていきますので、美味しく食べるためにも3日以内には食べ切りましょう。
調理師の義母に教わったカルパッチョ風の漬けレシピがとっても簡単で美味しかったので紹介します。
醤油:オリーブオイル=1:1
- 調味料を混ぜる
- お刺身を入れる
カルパッチョ風なので、私はタコと玉ねぎのスライスなどを漬けています。
醤油:ごま油=1:1
- 調味料を混ぜる
- お刺身を入れる
ポキ風なので、サーモンとアボカドを漬けると美味しいですよ。
酒とみりんを使っていないので、アルコールを飛ばす手間なく和えるだけで完了するので鍋いらずです。
お刺身の消費期限が切れて腐ったときの見分け方
消費期限が切れたお刺身は、基本的には食べない方がいいです。
ただ、消費期限は具体的な日にちを書いていますが、保存状態によって変わる為、食べない方がいいけど絶対に食べてはいけない期限というわけではありません。
消費期限の前に腐ることもありますし、消費期限が切れても腐っていないこともあります。
どうしても捨てるのがもったいない場合は、腐っていないか確認し、食べるか食べないかは自己判断です。
参考に、腐ったお刺身の見分け方をお伝えいたします。
お刺身は元々生臭さがあるかと思いますが、ツンとするようなきつい生臭さには要注意です。
腐敗臭(ふはいしゅう)がする時も食べないようにしましょう。
カビが生えていればパッと見るだけでもわかりやすいですね。
カビが生えていなくても変色していたり、水分が飛んでパサパサしているときは腐っている可能性があります。
見た目や臭いが変だと思ったら食べない方が安全です。
もし異変がなかったから食べてみたけど酸(す)っぱかったり苦かったりしたときは、飲み込まずに吐き出して水で口をゆすいでくださいね。
腐ったお刺身は加熱したとしても食中毒を起こすので気をつけてください。
お刺身は消費期限が切れていなくても、自分の目や鼻で確かめて異常がないかを確認してから食べるようにしましょう。
お刺身の消費期限切れは加熱すれば食べられる?
お刺身の消費期限が切れてしまったけど、異常は見られない…生で食べてもいいの?
消費期限が切れている場合は加熱して食べるのがおすすめです。
加熱方法としては、焼く、煮る、揚げるなどなんでもOKです。
唐揚げ・竜田揚げ・天ぷら・ムニエル・ソテー・ステーキ・照り焼き・角煮
加熱する前に、お刺身を水洗いしてキッチンペーパーで水気を拭き取ってから調理してくださいね。
マグロのステーキ、サーモンのムニエル、タコの唐揚げ…どれも美味しそうですよね。
サーモンはキャベツやコーンと一緒に味噌汁に入れると美味しいですよ。
安全に食べられるだけでなく、残り物をそのまま出すより、アレンジして出す方が家族も喜んでくれるので、一石二鳥です。
お刺身の消費期限が切れている場合は食べない方がいいですが、腐っていなければ自己責任のもと加熱してから食べてみてください。
まとめ
- お刺身の消費期限は当日中が次の日であることが多い。
- 魚の種類によって具体的な消費期限は変わる。
- 長持ちさせるためには新鮮なお刺身を選ぶ。
- 正しく冷蔵保存・冷凍保存をすることで消費期限を伸ばすことができる。
- お刺身を醤油漬けにすることで消費期限を3日ほど伸ばすことができる。
- 消費期限が切れたら食べない方がいいが、腐っていない場合食べるかは自己判断。
- 消費期限が切れたお刺身を食べる場合は加熱した方がいい。
お刺身をたくさん買って余ってしまっても、次の日であれば食べられることが多いです。
お刺身を次の日も美味しく食べるために、正しく保存してアレンジレシピなど楽しんでくださいね。
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